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スペシャルレポート

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Special Report09 目指す医療を考える前に、まずは一人前に 浜松医療センター 医師 岡伸一郎先生

浜松医科大学付属病院で初期臨床研修の2年目を終えようとしていた岡先生に、やりがいや診療科選び、今後の抱負を聞きました。

薬学部から医学部へ・・・

私は高校卒業後、大阪大学薬学部に入学し修士課程を修了した後に浜松医科大学医学部に入学し、そして医師になりました。
薬学部に在籍していた頃は、患者さんを治すという実感が乏しいことに悩み、今後の進むべき道を考え続けていましたから、医学部に入学した後は、臨床の知識を得られ、現場を知ることができたことがうれしかったです。
講義の中では、特に内分泌内科や血液内科に興味を持っていました。論理的なところに魅きつけられたと思います。

初期臨床研修について教えてください。

浜松医科大学付属病院の初期研修プログラムの下で研修をしています。
このプログラムの特徴は、大学病院と市中病院をローテートできることです。
私の場合は、最初の半年間を大学病院で研修し、内科系を3ヶ月間、精神科、放射線科、病理を1ヶ月ずつまわりました。1年目の後半から2年目の前半までの1年間は、浜松医療センターで研修し、消化器内科、呼吸器内科、循環器内科を2ヶ月ずつ、小児科、産婦人科、外科を1ヶ月ずつ、救急科の研修として救急科、整形外科、脳神経外科を研修しました。 
2年目の10月から大学病院に戻り、選択で血液内科を研修しています。

初期研修で印象に残っていることはありますか?

まず、たすきがけのプログラムを選んで良かったと思っています。
診る疾患が異なることで本当に勉強になりました。市中病院ではいわゆるコモンディジーズをしっかり経験し、大学病院ではめずらしい疾患を診ることができました。
また、印象深かったことは、浜松医療センターの脳神経外科にて慢性硬膜下血腫の手術を執刀させていただいたときのことです。患者さんの回復具合に驚かされ、術前術後の神経所見の変化に興味を持ちました。
私は内科系に進むことを強く意識していたので、脳神経外科にも興味が持てたことは貴重な経験だったと思います。

研修修了後に専攻する血液内科での研修について教えてください。

もともとは研究が好きなのですが、今は臨床に集中して励んでいます。
科長の小野先生が現在の私に勉強になる症例を選んで任せて下さるので、とても勉強になっています。やりがいを感じることができる研修を受けていますね。
今は完治させることが難しい患者さんにも、きちんとした医療を提供できる医師になることが目標の一つですが、「自分の目指す医療を考えるより、まず一人前の血液内科医にないたい」と、今はそう思っています。

専攻する診療科を決めかねている初期研修医の皆さんにアドバイスをお願いします。

私の経歴を見てもらえればわかりますが、興味があったら取り敢えずやってみたら良いと思いますよ。
そして、診療科を決めたら引き返すことができない訳でもありません。そこで一生が決まるわけでは無いのです。 肩の力を抜いて考えてみてください。

とてもフランクにお話をしてくださいましたが、そのキャリアの途中には悩みに悩んだ時期があったはずです。
取材後1年間、浜松医科大学での勤務を経て、平成29年4月から浜松医療センターで卒後4年目の医師として活躍する岡先生。 浜松医科大学の血液内科には、岡先生をはじめ、気軽にコミュニケーションをとれる先生が数多くいます。
浜松医科大学血液内科の医師と気軽に話しをしてみたいという全国の医学生や研修医の方は、科長の小野先生までお気軽にご連絡ください。